大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(あ)529 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中九〇日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人原正一の上告趣意は刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人本人の上告趣意及び補充上告趣意書は違憲をいう点もあるが、その実質は

事実誤認、単なる法令違反の主張を出でないものであつて、いずれも同四〇五条の

上告理由に当らない。(第一審判決が、被告人Aが昭和二五年五月一〇日尾道簡易

裁判所に於て窃盗罪により懲役刑に処せられ、右刑期の執行中逃亡した旨判示した

こと及び本件累犯加重の原因となつた前科の表示中「昭和二七年一二月一六日尾道

簡易裁判所に於て」と記したことの誤りであることは所論のとおりである。しかし、

被告人の逃亡したのは昭和二六年一月一一日確定した岩村田簡易裁判所の判決によ

る懲役刑の執行中であつたことは第一審が証拠に採用した被告人本人の供述及び被

告人に対する前科調書により記録上明らかであり、第一審判決は、右岩村田簡易裁

判所の判決を摘示すべきところ、誤つて尾道簡易裁判所の判決を摘示したものと認

められる。また、本件において累犯加重の原因となる被告人の前科は、(一)昭和

二六年四月四日東京北簡易裁判所において、窃盗罪につき処せられた懲役刑の前科

と(二)昭和二五年五月一〇日尾道簡易裁判所において窃盗罪につき処せられた懲

役刑の前科とであることは記録上明らかであり〔記録第二冊七四四丁、前科調書参

照〕、第一審判決中前記「昭和二七年一二月一六日」とあるのは、「昭和二五年五

月一〇日」の誤りと認められる。それ故、第一審判決の上記誤りは、いずれも判決

に影響を及ぼすこと明らかな違法があるものとは認められない。)

よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条刑法二一条により裁判官全

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員一致の意見で主文のとおり決定する。

昭和三一年一〇月一一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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